夏の間、冷凍庫の空きスペースに、ペットボトル2本(できれば4本)、水を入れて凍らせておいて下さいませんか。
水は凍らせると膨張するので、満水したらちょっと凹ませて水を抜いた所でキャップを締めていただくとちょうどよい感じになると思います。
500mlのペットボトルがちょうど使いやすいのです。保冷できる時間的にも、サイズ的にも。
この厳しい暑さの夏、誰がいつ熱中症になるかわかりません。
あなたは大丈夫でも、あなたの家族が急に具合が悪くなるかも知れません。
外から帰ってきた家族が「なんか頭が痛くて気分が悪いから、ちょっと横になるね」と言いました。
あら熱中症かも。冷たいお水がいいかしら、OS-1買いに行こうかしら。
そうだ冷蔵庫にポカリがあったはず。
クーラーのよく効いた涼しい部屋で横になって、ポカリも飲ませたけど、なんだか回復しない。
ある程度時間が経ってから、やっぱり病院だわ、となったりします。
そして、気の毒なことに、そのときにはもう手遅れになっている方もおられるのです。
こんなときには、「速やかに」「深部の熱を下げる」必要があります。
中に閉じ込められた熱が外に出せない状態が「熱中症」なのですから、クーラーで外をいくらしっかり冷やしても、中の熱は高いままという状態になっているのです。様子をみている間にどんどん状況は悪くなり、放っておくと大変なことになりますよ!
ここで凍らせたペットボトルの登場です。直接だと冷たすぎるので、搾りタオルででも包んで下さい。
さあペットボトルで冷やしましょう。場所は、両脇、両側頸部(首の横)。初動が命です。
このとき、できるだけ「正しい位置」を狙うことが大切です。なんとなく、では効率が下がります。
目的を知れば、場所ははっきりわかると思います。この時に狙うのは「動脈」です。
頸動脈、腋窩動脈、どちらも押さえると「トクントクン」という拍動が触れるところです。
「比較的浅いところを通っている、大きな動脈」を狙って冷却することにより、中を流れる血液が冷やされ、冷やされた血液は体中を速やかに駆け巡ります。
結果、出せなくなった深部の熱が下げられ、速やかな回復が期待できるというわけです。
これは救急や消防でも用いられる方法で、暑い季節になるとそういったところでは冷凍庫に入る限りのペットボトルを凍らせておくそうです。
そして、イベントや大会など熱中症でバタバタと人が倒れるような状況が発生すると、隊員の方たちは、バッグに入るだけのペットボトルを詰め込んで、いざ出動!します。
現場に到着すると、まずは具合が悪くなった人たちの両脇、両側頸部に4本づつペットボトルを突っ込んで回って、それから対応していくのだそうです。
実に「合理的」な方法だと言えます。ご家庭でもコストをかけることなく準備できます。
家族じゃなくても、タダで気軽に差し上げちゃうことだって可能だと思います。
キャンプや、お持たせの保冷剤として使うこともできます。
左は若干失敗してる2リットルボトルです。
水は凍らせると膨張します、わかっていたのにちょっと水の抜き加減が少なかったようです。
というわけなので、2本、できれば4本の500mlペットボトルを、冷凍庫に。
できれば、ご親戚ご近所にも情報共有して下さい。
熱中症の犠牲者を出さないために、よろしくお願いします。
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